「後妻VS前妻の子」の相続トラブルをさけるためには?

2021年8月12日

再婚して後妻がいる場合、前妻の子との相続トラブルが起きがちです。

持ち家を後妻に残したいなら、贈与税の配偶者控除(おしどり贈与)がおすすめです。

 

前妻の子も相続する権利がある

昔は結婚するのが当たり前でしたが、現在では、あえて独身を選んでいる方も多いのではないでしょうか。

わたしの周りでも、結婚を1回だけのものとは考えず、2~3回と再婚する方もいます。

 

離婚すると、前妻とは「他人」になりますが、血のつながっている子ども(前妻の子)とは「家族」のままです。

つまり、再婚して後妻がいても、亡くなったとき遺産を相続するのは「後妻」と「前妻の子」になるのです。

 

しかし、後妻と前妻の子はまったくの他人。

「持ち家を他人同士で共有したくない」といった相続トラブルをさけるために、贈与税の配偶者控除(おしどり贈与)があります。

 

贈与税の配偶者控除(おしどり贈与)とは?

おしどり贈与とは、結婚して20年以上たっている夫婦が、

  • 持ち家
  • その土地
  • 自宅の購入費

をあげても、贈与税がかからないというものです。

 

最初の結婚相手だけではなく、20年以上であれば再婚相手でも使うことができます。

(2,000万円までの持ち家・土地・購入費にかぎります)

 

贈与税がかからないと聞くと「生前対策になりそう」と思うかもしれませんが、デメリットもあるため、ほとんどのケースで生前対策にはなりません。

ですが、「後妻にできるだけ安心してもらいたい」というケースでは、遺言書よりかんたんで便利な方法です。

 

贈与税の配偶者控除(おしどり贈与)のデメリットとは?

いいことばかりに見えるおしどり贈与ですが、2つのデメリットがあります。

 

1つ目は「コストが高い」ということ。

不動産を贈与することで、

  • 登録免許税
  • 不動産取得税

という税金がかかってしまいます。

 

具体的には、「固定資産税評価額(固定資産税の通知書に書いてます)×約5%」。

たとえば、2,000万円の価値がある持ち家では、100万円もの税金を払うことになるのです。

 

2つ目は「遺留分を侵害してしまう」ということ。

2019年からおしどり贈与は、特別受益(遺産の前渡しとして自分だけもらったお金)には含まれなくなり、後妻の生活を保護しやすくなりました。

しかし、「後妻だけもらうのは不公平だ」と前妻の子が主張できる相続人の権利(遺留分)は残ったままです。

 

「後妻を安心させたら終わり」ではなく、

  • 前妻の子と話し合いをする
  • 持ち家以外の財産を残しておく

といった「家族全員のことを考える」ことが、本当の意味での生前対策になるのではないでしょうか。

生前贈与を現金でするうえで1番大切なこととは?振込だけで満足するのは危険です!

 

まとめ

贈与税の配偶者控除(おしどり贈与)について書きました。

贈与の影響は大きいので、専門家に相談してから行うようにしましょう。

 

■娘(7歳)日記

紙にデザインした洋服を、シールのキャラクターに着せる遊びをしています。

絵が下手なわたしから見ると、娘はすでにデザイナーです。