配偶者控除(軽減)は期限後申告でも使えるの?未分割の期限内申告だけではありません!

2019年4月18日

相続税を計算するうえで、配偶者には強烈な優遇制度があります。

申告期限(亡くなってから10か月以内)を過ぎると使えないと思われがちですが、間に合わなくても使える可能性があります。

 

配偶者控除(税額軽減)とは?

相続税において、配偶者はかなり優遇されています。

  • ひとりになってしまった生活を保障する
  • 亡くなられた方財産形成に貢献している

といった理由があるため、できるだけ相続税をとらず、お金が多く残るようになっているのです。

 

具体的には、配偶者が取得する財産が、

  • 16000万円
  • 法律で決められた取り分

までなら、配偶者の相続税は0円になります。

 

法律で決められた取り分(法定相続分)は、相続人の構成によってちがい、

  • 配偶者と子供→1/2
  • 配偶者と両親→2/3
  • 配偶者と兄弟→3/4

のように、配偶者と相続人の関係が遠くなるだけ、配偶者の取り分が増えるようになっています。

(実際に遺産をわけるうえで従う必要はありません)

 

配偶者控除(軽減)を使うためには遺産分割が必要

配偶者控除(軽減)を使うためには、配偶者がどの財産を相続するか決めないといけません。

つまり申告期限までに遺産のわけ方が決まらない場合、期限内の申告では使えないのです。

 

しかし、3年以内にわける予定です」という書類(分割見込書)をつけて申告し、わけ方が決まったら「払いすぎた相続税をかえして」いう手続きをすれば問題ありません。

 

では、申告期限までに、

  • 遺産のわけ方が決まらない
  • 申告書の提出も間に合わない

となった場合、どうなるのでしょうか?

遺産分割の方法は3種類?不動産が多いなら換価分割も検討しましょう!

 

配偶者控除(軽減)は期限後申告でも適用可

結論としては、期限後の申告になっても、「申告期限から3年以内」なら使うことができます。

なぜなら、そもそもの目的が「配偶者の保護」であり、期限を過ぎても「配偶者が財産をもらう事実はかわらない」からです。

 

期限後に申告する場合、すでにわけ方は決まっているので「分割見込書」をつける必要はありません。

ちなみに、同居している家族などを保護する制度(小規模宅地等の特例)でも同じように、期限後の申告で使うことができます。

(農地・株の納税猶予は期限内じゃないとだめです)

 

まとめ

配偶者控除(軽減)について書きました。

期限後の申告になると、延滞税といった罰金がかかってしまいます。

できることなら、申告期限までに分割見込書をつけて提出するようにしましょう。

 

■娘日記

娘とふたりで実家デートに。

両親の甘やかしっぷりはわたしといい勝負です。