【インボイス制度】2割特例が使えない?フリーランス(個人事業主)は基準期間の売上に気をつけよう!
インボイスに登録すると関係してくる、2年前(基準期間)の売上。
じつは、「2割特例を使えるかどうか」にも影響してきます。
インボイスと基準期間!売上1000万円以下で消費税はどうなる?
インボイスがはじまる前は、2年前の売上が1000万円を超えた方だけ、消費税を払うことになっていました。
つまり、売上が1000万円以下なら、消費税を払わなくてもよかったのです。
ですが、インボイスに登録することで、すべてのフリーランスや法人が消費税を払うことになります。
2年前の売上が1000万円以下になったとしても、インボイスをやめないかぎり、消費税を払うことになるので覚えておきましょう。
【インボイス制度】開始前の取り下げが増加?開始後の取り消しも忘れずに!
インボイスの2割特例が使えなくなる基準期間の売上とは?
もっと注意したいのが、「2年前の売上が2割特例にも影響する」ということです。
インボイスに登録してはじめて消費税を払うことになる方は、
- 事前申請が不要
- 税金が安くなる
- 経理が楽になる
といった、メリットばかりの2割特例を使うことができます。
しかし、2割特例は売上が小さい方向けの、「救済」のルール。
2年前の売上が1000万円を超えてしまうと、2割特例を使うことができなくなるのです。
消費税の基準期間の課税売上高は税込?税抜?
2年前の売上ですが、会計ソフトが勝手に計算してくれるわけではありません。
「そんなの自分で計算できるよ」と思うかもしれませんが、2年前の状況によって計算方法がちがいます。
たとえば、2023年10月からインボイスに登録したフリーランスの場合、
- 2023年1月~9月→税込で計算
- 2023年10月~12月→税抜で計算
のように、消費税を払っているかどうかで、売上の金額が変わってきます。
「かんちがいして2割特例を使わなかった」といったことのないように、気をつけていただければ。
【インボイス制度】2割特例はやりなおし(更正の請求)ができない?
まとめ
インボイスの2割特例と基準期間の売上、について書きました。
簡易課税を使っている方も、2年前の売上に注目するようにしましょう。
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中原牧人(まきと)のプロフィール
1987年、島根生まれ岡山育ち。合同会社MIOコンサルティング 代表社員|中原牧人税理士事務所 代表税理士|一般社団法人はれとこ 監事
web3(仮想通貨・NFT・DAO)、AIサービス、IT効率化に強い税理士。岡山県を中心に、全国のひとり社長やフリーランスをサポートしている。
メディア出演、セミナー実績多数。ゲームとマンガが大好きで、9歳の娘を溺愛。