配当の確定申告は総合課税が有利!住民税の申告不要の申請も忘れずに!

2019年2月26日

株の配当を総合課税で申告する場合、住民税の「申告しない申告」を忘れないようにしましょう。

 

所得税の累進課税とは?株の税金は意外と高い

「特定口座源泉あり」で株を運用されている場合、配当から自動で税金がひかれています。

内訳としては、

  • 所得税15.315%(以下15%とします)
  • 住民税5%

となっていますが、この税率高いと思いませんか?

 

所得税は、階段のように税率が高くなっていきます。

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たとえば課税所得が200万円の場合、この表をみると税率は10%…といいたいところですが、

195万円×5%+5万円×10%=102,500円

のように表の金額を超えた部分だけ高い税率になるのです。

 

額面収入、いわゆる年収500万円のサラリーマンでも実際の税率は6%くらい。

この「税率の差」により、ひかれすぎている所得税は、確定申告することにより取りかえせます。

 

株の配当所得は所得税なら総合課税、住民税なら申告しない申告が有利

ここからややこしくなります。

結論としては、課税所得金額が900万円以下で株の損失がない方は、

  • 所得税⇒総合課税で申告
  • 住民税⇒申告しない申告

とすれば、1番お得になります。

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配当には、3種類の申告方法があります。

  • 総合課税
  • 申告分離課税
  • 申告しない

税率の差による所得税を取りかえすには、すべての所得を総合して税率を決める「総合課税」を選択します。

総合課税を選択することにより、「配当控除」という配当の10%だけ所得税が安くなる制度も使えるようになります。

(赤枠は5%、2.5%になったりします。青枠は利子なのでそもそも対象外)

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つまり、所得税の税率が、

23%(課税所得金額900万円の所得税率)ー10%(配当控除)=13%<15%

となるので、ひかれすぎている所得税がかえってくるということです。

住民税を申告しない理由としては、住民税の配当控除は2.8%しかなく、

10%(住民税は一律)-2.8%=7.2%>5%

のように申告すればかえって損してしまうからです。

※2022年5月27日追記

2023年分の確定申告から、この方法(所得税と住民税でちがう申告をする)は使えなくなります。

損益通算の確定申告にデメリット?所得税と住民税で別の申告をしましょう!

まとめ

住民税の「申告しない申告」の期限は、住民税の通知がくるまでです。

総合課税を選択する場合、必ず住民税の申告をするようにしましょう。