個人事業の損失は繰越しだけではない!前年に戻って税金をかえしてもらえます!

2019年2月19日

こんにちは。ガリガリ税理士の中原(@makito_tax)です。

 

個人事業で赤字になってしまった場合、損失を繰り越すだけで満足しないでください。

 

 

青色申告では個人事業の損失を3年間繰越しすることができる

個人事業主で青色申告をされている方には、いろいろな特典があります。

このうち「事業の損失を3年間繰り越せる」は、開業したばかりの方に大変ありがたい特典です。

 

最初の年は経費が先行し、どうしても赤字になりがち。

しかし、利益に結びつくまでのその損失は、決して無駄ではありません。

 

軌道にのりだした2年目以降の利益と相殺し、税金を0にしたり、安く抑えることができるのです。

 

 

所得税の繰戻し還付とは?個人事業の損失を前年に戻せる?

では逆に、順調だったはずの事業で思いがけない損失がでてしまったとします。

同じように3年間繰り越してもいいのですが、「前年に戻って税金をかえしてもらう」という選択肢もあるのです。

 

具体的には、

前年の所得税-今年の損失を前年に戻して再計算した前年の所得税

をかえしてもらえます。

 

たとえば前年の所得税が20万円、今年の損失が100万円とした場合、

前年の所得税が10万円かえってきます。

 

税金がかえってくるので資金繰りも助かりますし、「損失を3年間で使えきれなかった」なんてこともありません。(繰り越した損失は配偶者控除などより先にひかれるので、配偶者控除などが無駄になることもあります)

また、損失の全部を戻す必要はなく、「一部を戻して残りは繰り越す」ということもできます。

 

 

ちなみに廃業の場合、

「廃業した年の損失を前年に戻す」

だけではなく、

「廃業した年の前年の損失を前々年に戻す」

ということもできます。

 

損失を繰り越しても使う機会がないので、忘れずに税金をかえしてもらうようにしましょう。

 

 

まとめ

損失の「繰越し」と「繰戻し」は選択できます。

赤字になってしまった場合、ぜひご検討ください。