DAOのトークン(仮想通貨)の相続税はどうなる?

会社でもコミュニティでもない、DAO(ダオ)。
トークンの相続税がどうなるのか、税理士として考えてみました。
DAO(ダオ・分散型自律組織)とは?会社でもコミュニティでもない
DAO(分散型自律組織)とは、会社でもコミュニティでもない新しい組織です。
「スマートコントラクト」という仕組みを使うことで、運営を自動(自律的)で行うことができます。
株式会社・合同会社は、最初にお金を出した人(株主・出資者)のものです。
ほとんどの中小企業では「株主=社長一族」となっているため、ほかの人が運営に口を出すことはできませんでした。
町内会のようなコミュニティでは、「みんなで意見を出しあって町をよりよくする」という建前はあります。
実際には、使い道がわからない会費を言われるがまま払っている、というケースも多いのではないでしょうか。
ですがDAOでは、「やりたいことをだれでも提案できる」のです。(やるかどうかは投票で決まります)
しかも、DAOで行われたことはブロックチェーンにすべて記録されるので、不正が起こることもありません。
DAOはweb3の最終形?
web3(ブロックチェーンを使ったサービス)の定義には、
- 仮想通貨
- NFT
- メタバース
のような、いろいろなものが含まれています。
新しい活用法が日々生まれていて、とてもわくわくするのですが、今のところweb3の最終型は「DAO」ではないかと考えています。
「Web2.0」と「web3」の1番のちがいが、「中央集権型」が「分散型」になるということ。
つまり、力を持った大企業のかわりに、「だれでも参加できる+オープンで信頼できる」DAOが、web3の世界を引っぱっていくのではないでしょうか。
DAOのトークン(仮想通貨)の相続税はどうなる?
DAOは、「ガバナンストークン(投票権)」を発行することで、投票によりお金の使い道を決めることができます。
では、DAOのトークンを持った人が亡くなった場合、相続税はどうなるのでしょうか。
トークンを単なる権利と見ると、「お金の価値がないので相続税の対象にならない」という考え方もあります。
ですが、DAOのトークンは市場で売ることができ、たとえばNouns DAO(ナウンズ ダオ)のように、ひとつのトークンに数千万円の価値がついているケースもあります。
具体的な計算方法は明らかになっていませんが、「亡くなったときにいくらで売れたのか」という金額で、相続税の対象になると考えています。
また、トークンの中にはソウルバウンドトークンのように、「だれにも売れないその人だけの特別なもの」もあります。
「税理士資格は相続できないから、相続税の対象にもならない」とおなじように、ソウルバウンドトークンは相続できないから、相続税の対象にはならないと考えられます。
まとめ
DAOのトークン(仮想通貨)の相続税について書きました。
web3の税金ははっきりしないことが多いので、あれこれ考えてみるのが楽しいです。
◆娘(8歳)日記
運動会の練習をがんばっているようで。
今年もかっこいいダンスを見るのが楽しみです。