「後妻VS前妻の子」の相続トラブルをさけるためには?

再婚して後妻がいる場合、前妻の子との相続トラブルが起きがちです。
持ち家を後妻に残したいなら、贈与税の配偶者控除(おしどり贈与)がおすすめです。
前妻の子も相続する権利がある
昔は結婚するのが当たり前でしたが、現在では、あえて独身を選んでいる方も多いのではないでしょうか。
わたしの周りでも、結婚を1回だけのものとは考えず、2~3回と再婚する方もいます。
離婚すると、前妻とは「他人」になりますが、血のつながっている子ども(前妻の子)とは「家族」のままです。
つまり、再婚して後妻がいても、亡くなったとき遺産を相続するのは「後妻」と「前妻の子」になるのです。
しかし、後妻と前妻の子はまったくの他人。
「持ち家を他人同士で共有したくない」といった相続トラブルをさけるために、贈与税の配偶者控除(おしどり贈与)があります。
贈与税の配偶者控除(おしどり贈与)とは?
おしどり贈与とは、結婚して20年以上たっている夫婦が、
- 持ち家
- その土地
- 自宅の購入費
をあげても、贈与税がかからないというものです。
最初の結婚相手だけではなく、20年以上であれば再婚相手でも使うことができます。
(2,000万円までの持ち家・土地・購入費にかぎります)
贈与税がかからないと聞くと「生前対策になりそう」と思うかもしれませんが、デメリットもあるため、ほとんどのケースで生前対策にはなりません。
ですが、「後妻にできるだけ安心してもらいたい」というケースでは、遺言書よりかんたんで便利な方法です。
贈与税の配偶者控除(おしどり贈与)のデメリットとは?
いいことばかりに見えるおしどり贈与ですが、2つのデメリットがあります。
1つ目は「コストが高い」ということ。
不動産を贈与することで、
- 登録免許税
- 不動産取得税
という税金がかかってしまいます。
具体的には、「固定資産税評価額(固定資産税の通知書に書いてます)×約5%」。
たとえば、2,000万円の価値がある持ち家では、100万円もの税金を払うことになるのです。
2つ目は「遺留分を侵害してしまう」ということ。
2019年からおしどり贈与は、特別受益(遺産の前渡しとして自分だけもらったお金)には含まれなくなり、後妻の生活を保護しやすくなりました。
しかし、「後妻だけもらうのは不公平だ」と前妻の子が主張できる相続人の権利(遺留分)は残ったままです。
「後妻を安心させたら終わり」ではなく、
- 前妻の子と話し合いをする
- 持ち家以外の財産を残しておく
といった「家族全員のことを考える」ことが、本当の意味での生前対策になるのではないでしょうか。
生前贈与を現金でするうえで1番大切なこととは?振込だけで満足するのは危険です!
まとめ
贈与税の配偶者控除(おしどり贈与)について書きました。
贈与の影響は大きいので、専門家に相談してから行うようにしましょう。
■娘(7歳)日記
紙にデザインした洋服を、シールのキャラクターに着せる遊びをしています。
絵が下手なわたしから見ると、娘はすでにデザイナーです。